店長日記
23.04.14. 素材
屋外博物館Seurasaariにて
古い建物には、木が塊から使われているものあって
そういう建物の中に入ると、不思議な感覚を覚えます。
木の表面には、加工された時の跡が残っていて
建物が建ってからどのように使われていたかによって
表面の色が変わったり、ぶつかった跡があったりもします。
使われている木には、その建物の歴史が刻まれている。
そういうことだと思います。
私たちの住む伊勢には神宮があって
神宮の神域内には、たくさんの大きな木が立っていて
参拝客がそれらの表面を撫でたり、触っていくことも多いのですが
それが何度も繰り返されて
木の表面に艶が出てきているものもあります。
その木に神様の存在を感じて参拝客は撫でていくのか、
艶のある表面に惹かれるからなのかは分かりませんが
数多くの人の手を長年受け入れてきた木の表面は
そうでなかった場合は
姿がかなり違っていただろうなと思います。
木という素材の良さは
過程の違いによって変化していく、ある意味の弱さと
歴史を刻みながら、ずっとそこにいてくれる力強さ。
そんなふうに考えています。